菅沼孝三さんを偲んで

11/8、世界的なドラマー菅沼孝三さんがお亡くなりになりました。
昨年から病と戦いながら音楽活動を続けていらっしゃいましたが、旅立たれました。
ご一緒させていただいた場面を回想しつつ、悲しみの中このブログを書いています。

「手数王」菅沼孝三さんと言えば、ドラム界最高峰ともいえるテクニックの持ち主で、Jポップ、HR/HM、ジャズフュージョンと幅広いジャンルで活躍され、長年CHAGE&ASKAのバックを支えるなど、私が説明するまでもなく名実ともに日本屈指の名ドラマーです。私は若い頃、CHAGE&ASKAは勿論、孝三さんの参加されているフュージョンバンド「FRAGILE」を聴き衝撃を受けたことを憶えています。

私が孝三さんと初めてご一緒させていただいたのは2010年でした。
孝三さんと古くから親交のあるベーシストの西尾Bun博文さん、パーカッショニストでイベント企画されている織谷ひろこさんにお声掛けいただき、大変緊張してリハーサルに臨んだのを記憶しています。その際も気さくに接して下さり、誰に対しても変わらず優しく明るくいつも笑顔が印象的な方でした。

その後も何度かご一緒させていただく機会を持たせていただきました。
そんな中でも一番思い出に残っているのは2014年12月梅田ロイヤルホース、孝三さんの4枚目のソロアルバム「SUNSET CRUISE」のレコ発ライブです。アルバムの全曲をレコーディングのメンバーではなく関西のメンバーで再現するというものでした。アルバムでは私も昔からリスペクトしているギタリスト道下和彦さんが弾いてらっしゃり、難曲揃いでライブ当日まで必死に練習したのを思い出します。
あの日、そんな貴重なライブのメンバーに入れていただきギターを弾かせていただいたこと、感謝しかありません。ご一緒させていただいた経験は一生の宝物です。

そして、私が最後にご一緒させていただいたのは2019年の秋、ロイヤルホースでの孝三さんの還暦ライブにお誘いいただいた時でした。その際、アルバム「SUNSET CRUISE」のタイトルチューンでもある「SUNSET CRUISE」をご一緒させていただきました。とても美しい曲で何度か演奏させていただき、私も大好きな曲です。

訃報を知った11/9火曜日、午後から本町のSputnikGuitarSchoolでのレッスンでしたが、還暦ライブで着た赤い「手数王Tシャツ」をパーカーの内に着て向かいました。そして、到着してノートPCの中から「SUNSET CRUISE」の譜面が見つかり、レッスンの合間にソロギターアレンジを考え、感謝の気持ちを込めて演奏しアップさせていただきました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

尾崎タカオ(@funky6gen)がシェアした投稿

私は何度か共演させていただきながら、孝三さんと2ショットの写真がほとんどありません。機会はあったはずなんですが、緊張もあってかずっとお願い出来ずにいました。上の写真は2015年・鳥取でのライブのリハーサル後に私が趣味のカメラを持っていると、カメラ通で知られる孝三さんの方から笑顔で「尾崎先生、一緒に写真撮ろうよ」(孝三さんには尾崎先生と呼んでいただいておりました)とおっしゃっていただき、初めて2ショットで撮っていただいた一枚です。すごく嬉しかった思い出であり、宝物の一枚です。

ご病気を公表されてからずっと復帰を信じておりましたが、叶いませんでした。
超一流のミュージシャンであることに加えて、ユーモアと笑顔に溢れいつも周りの人達に元気を与えてくださる、人間として尊敬出来る素晴らしい方でした。

孝三さんの娘さんでドラマー・SATOKOさんによると、息を引き取る数時間前までビートを刻み、ご家族に見守られ笑顔で旅立たれたとのこと。

孝三さん、本当に、ありがとうございました。
そして、どうぞ安らかに。

心よりご冥福をお祈りいたします。

尾崎タカオ

タイトルとURLをコピーしました