こんにちは、講師の尾崎です🎸
めちゃくちゃ久々になりますが、YouTube動画をアップしました。
今回は女性シンガーソングライター・竹内アンナさんの『Free!Free!Free!』という楽曲から中盤あたりのギターでのスラップ部分を取り上げてみました。
このスラップでのプレイは当教室のレッスン生Cちゃんからのリクエストで、初めて竹内アンナさんの存在を知ったのですが、今回取り上げたアコースティックギターによるスラップは勿論、正確でタイトなリズムカッティングやテンションコードを交えたオシャレなボイシングによる楽曲等、テクニカルなギタープレイを駆使しながらの弾き語りには驚きました。最近の若いミュージシャンの皆さんは男女問わず演奏技術・楽曲やメロディセンス等、本当にクオリティの高さを感じますね。
(『Free!Free!Free!』のMVはコチラ👉https://youtu.be/U_fjIxpF4e8?si=z9LO2OAxgBA0k4Ae ※スラップは2:18頃から)
まずは動画をご視聴ください👇
TAB譜です👇

【右手の弾き方】
動画内でも中間あたりで解説していますが、このスラップで使う右手の動きとして3つの動きがあると思います。
TAB譜の上部にT、M、Pと3種類のアルファベットが書かれていますが、それがその3つの動きです。
「T」=親指(Thumb)で弦を叩いて音を出す。
「M」=右手で弦の振動を止めるようにミュート(Mute)する。
「P」=右手の人差し指で弦を引っ張って(Pull)音を出す。もしTAB譜上に「×」が表記されている時は左手で弦をミュートして弦を引っ張ってミュート音を出す。
具体的な動きについては動画を見ていただくのがわかりやすいかと思いますが、右手の動きについて3点ほど簡単な説明を書いておきます。
①Tはただ弦の表面を叩くだけだと音が出にくいこともあるので、親指の側面で少しだけ「擦る」とか「引っ掛ける」感覚があると出しやすいかと思います。
②Mの時は軽く手を握っている状態で親指以外の指の爪と親指の付け根の少しぷっくりしている部分を弦にぶつけて「パスッ」という音が出るようにしてみて下さい。
③TやMを弾いた後は、基本的にPの人差し指が次に弾く弦の位置に来るようにします。
基本的に16分音符の1・3番目の音がTまたはMで、2・4番目の音がPになっていますが、1段目の最後の拍のみ8分音符の裏(16分音符でいう3番目)なのにTで弾いています。慣れるまで少しタイミングがとりづらいかも知れませんが練習してみて下さい。
【左手の弾き方】
[1小節目]
最初の6弦7フレット、左手は薬指で弾いています。2拍目5〜7フレットはH(ハンマリング)して、5弦5〜4〜2フレットは全て人差し指で降りていきます。
[2小節目]
6弦2フレットF#〜5弦4フレットC#、6弦3フレットG〜5弦5フレットD、6弦4フレットG#〜5弦6フレットD#と5度(パワーコードの位置ですね)で半音ずつ上がっていくフレーズです。動画では全て竹内さんご本人と同じ6弦は人差し指、5弦は薬指で押さえていますが、5弦は小指でも良いかと思います。パワーコードで小指を使うのに慣れているからか、私個人としては小指の方が押さえやすいです。
[3小節目]
ほぼ1小節目と同じ感じですが、9フレットまでポジションがあがります。
9〜8フレット=薬指、7フレット=人差し指で押さえます。
[4小節目]
最初の6弦5フレットから7フレットまで人差し指でスライドして上がります。
そこから5弦を飛ばして1オクターブ上の4弦9フレット=薬指〜7フレット=人差し指、5弦9フレット=薬指〜7フレット=人差し指と押さえていきます。最後の4拍目は人差し指のまま5フレットに移動します。
[5小節目]
一番最初と同じ音、6弦7フレットを薬指で終わりです。
【おわりに】
このギターでのスラップに関しては、20数年前になりますがアメリカ・ボストンのバークリー音楽院の教授でギタリストのトモ藤田さんが「ギタリストのための演奏開発エクセサイズ」という教則ビデオで取り上げられていました。
その中でバークリーの生徒さんが日々の練習で行き詰まった際に、スラップを練習することで違うことに没頭するのをみて気分転換するのにいい練習だと書いてあり、当時ジャズに没頭していた自分も部屋で黙々と練習した思い出があります。気分転換とは言っても、結構そのフレーズが難しかったんですけどね(笑)今FreeFreeFreeのスラップを終えたレッスン生のCちゃんはそのトモ藤田さんのフレーズに挑戦しています。
本来はベーシストが使用するこのスラップというテクニックですが、ギタリストでも前述のトモ藤田さんやMIYABIさん、アコースティックソロギターの達人・押尾コータローさん等、昔から演奏に取り入れています。
今回のフレーズを参考にご自分のプレイスタイルに取り入れるのも良いでしょうし、リズムトレーニングとしても良い練習になるかと思いますので、興味のある方は是非練習してみて下さい。